ジャンル別EDM制作講座も今回で3回目となりました。今回はEDMTrapの作り方を解説したいと思います。
Trapと言っても様々です。Trapを知っている方なら, この様な雰囲気の曲を思い浮かべるかもしれません。
ですが、今回はEDMTrapという事で、これとは少し違ったテイストの曲を作っていきます。
EDMTrapの曲を一つ聴いてみましょう。
今回はこの様な雰囲気の曲をベースに考えていきたいと思います。
↓僕が作った曲です(Dropのみですが)。
実は僕はEDMTrapは殆ど聴かず、Future BassやMelodic Dubstepに比べると知識量も劣ります。
上の音源はこの記事を投稿する2ヶ月くらい前に僕が初めて作ったEDMTrapですが、気に入ったのでそのままこれを使って説明していきたいと思います。

本当はただのめんどくさがりです笑 こういうチュートリアルは結構作るの時間かかるのでご了承ください。
はじめに
この曲は、
- Key : D maj
- BPM : 150
で、FL Studio 20で制作しました。
解説

Vocal Chops
このVocal ChopsはSerumの音です。と言っても僕が作ったわけではなく、Echo Sound Works - Ashesの中のプリセットをほぼそのまま使用しています。
メロディーは次の画像の様な感じです。

後半は音が途切れ途切れになっているかと思いますが、これはFL Studio純正のプラグイン"Gross Beat"を使用しました。
Bass
TrapではBassは前面に出てくるため非常に重要なパートとなります。僕は今回4つのベースをレイヤーさせました。

特にMid High Bassは重要です。ここの音と次に解説するブラスの音の相性が良いと非常に良く聴こえますが、どちらかのチョイスが悪いとブラスとベースが完全に別々になってしまい、統一感に欠けてしまいます。
Low Mid Bassでは、Mid High Bassと同じ系統の音を選び、Mid High Bassを支える感じでEQなどを調整しましょう。
4つもベースがあるので、各ベースの住み分けをはっきりさせましょう。
例えば、ベースだからと言って4つともローをそのままにしておくと低音が酷いことになります笑
参考までに4つのベースのEQは下の画像の様な感じです。一番上から
- Mid BassとMid High Bass
- Low Mid Bass
- Sub Bass
です。Mid BassとMid High BassのEQは100hz以下は切っています。Low Mid Bassは完全に切っているわけではありませんが、Sub Bassの為にスペースを空けています。逆にSub BassはHigh Cutで残り3つのベースや他の楽器のためにスペースを空けています。
この様にEQ自体はそれほど難しくないので、住み分けだけはきちんとしてあげましょう。



Bassに使ったプラグインは、Sub BassはMassive、それ以外は全てSerumです。今回使用した音は、SpliceやCymaticsなどに腐る程たくさんあると思います。
ただ、一歩間違えるとMarshmelloのMoving OnのDropの様な”ブーブー”みたいな全く異なるテイストの音になってしまうので、それだけは注意しましょう笑

このベースを前面に出そうという発想が...やっぱすごいですね笑
Brass
BrassはTrapの一つの大きな特徴です。この音はSpliceから取ってきました。確かKSHMRのやつだったと思いますが、覚えていません泣
上の音声はベースなどと殆ど同じSidechainを掛けています。Sidechainを掛けないとDropの統一感があっという間に崩れてしまいます。Brassの音はわざわざプラグインを買わなくてもサンプルがそこら中に落ちているので、それを有効活用しましょう。
Percussion Block Roll
あまり聞き慣れないかと思います。曲の途中でやや小さめですが”カーン”という音が鳴っています。これも、Trap特有の”暗さ”を表現するのに役立つ便利な音です。
この他にもWoodblockなども良く使われます。Percussion類の各音の名前を覚えとくと、欲しい音をすぐに見つけることができるので、便利です。
Kick, Snare, Hihat
この3つはジャンルに関わらず打楽器系の根幹をなすパートです。今回のKickは前回のFuture Bassの時とは異なり、強めのサンプルを用意しました。
Snareは2つの音を重ねて、Kickの間に入る様に設置しました。Snareはやや控えめで短いサンプルを使用しました。
Hihatは....これは本当に適当です笑 短めで目立たない様なサンプルだったらなんでも良く、それを適当に配置させます。

打楽器系の根幹じゃなかったのか...
EDM初心者の方は、配置のコツとしては、音の間隔は狭くしてみましょう。EDMのハイハットは、現実世界じゃ絶対無理!というくらいハイハットが速いことがあります(特にFuture Bass)。Future Bassの曲のDropのハイハットを聴いてみるとよくわかると思います。
あとは、間延びしたオープンハイハットではなく、すぐに音が消えるクローズドハイハットを使用してみましょう。オープンハイハットでは下手に音が目立ってしまいますが、クローズドの方はしっかりと音の隙間を埋める役割をしてくれます。
Crash, Whitenoise
Whitenoiseはただの”サーーッ”という音ではなく、Crashっぽいサンプルを使用すると良いでしょう。あと、EDMTrapでは、Whitenoiseはいつまでも伸ばさない方が良いと思います。なので、適度な長さのサンプルを選ぶか、サンプルの長さを調整しましょう。
Crashは控えめで伸びはあまりないものを使用すると良いでしょう。ただこれは、曲においてCrashを目立たせたいか否かによっても変わってくるのでその都度考えていきましょう。
EDMTrapをもっと聴いてみよう!
Hip Hop系のTrapは大人気ですが、Melodic Dubstepと同様、EDM系のTrapはあまり人気がない様に感じます。
EDMTrapも是非聴いてみましょう!