【お知らせ】DTM相談を受け付けます
詳細はこちら

【読書のメリット】小説なんか読む意味ないと思っていませんか?

その他

僕が初めて小説を読んだキッカケは、伊坂幸太郎の「ゴールデンスランバー」です。
この映画を小5の時に見て、小説を買って読んでみたのが、僕の読書人生の始まりです。


読書をするようになるキッカケは様々ですが、逆に読書のキッカケがないとスマホが台頭してきた現代では読書をしないまま一生を終えるかもしれません。


読書をしない人の中にも様々な意見があるかもしれませんが、その中でも特に小説は軽視されがちです。


”小説なんて所詮フィクション”


と思う方もいると思いますが、そのフィクションに秘められた力と可能性について、今回はお話ししていきたいと思います。


スポンサーリンク

小説が人を救った話

僕は、大学に入ってからしばらくは読書から距離を置いていました。
大学の勉強やバイトに時間を費やし、読書をする機会が減りました。


そんな僕が久しぶりに、高校生の時に買った、村上春樹のエッセイ、「村上春樹 雑文集」を読み返していました。


その中に、あるカルト宗教にのめり込んだ経験を持つ男性の話がありました。


彼はそのカルトの修行場(のようなところ)に入れられて、外部からまったく遮断された生活を送っていた。教典以外の本を読むことは厳しく禁止されていた(彼らは信者がフィクションに触れることを一切許可しない。虚構のチャンネルはひとつしか必要とされない。当然なことだ)。しかし彼は僕の書いた『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』という小説を、荷物の底にひそかに隠し持っていて、人目を忍んでそれを毎日少しずつ読み続けていた。そしていろいろと大変な経緯はあったものの、長い時間をかけてなんとかそのカルトの精神的束縛から抜け出すことができた。今では現実の世界に復帰して、普通の生活を送っている。どうして毎日すがるようにその小説を読んでいたのか、どうして言われたようにそれを捨ててしまわなかったのか、それは彼にもうまく説明できない。しかしもしその本を読み続けていなかったら、あそこからうまく抜け出せたかどうかわからないと彼は書いていた。

村上春樹 雑文集


カルト教団はあらかじめ一つの(あるいは複数の)物語を用意していて、それを使って信者を掴んで離そうとしません。


そういう彼らにとっては、別の物語は脅威となりえます。完全に構築された世界観に入り込む光があってはならないのです。


「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」が完全に教典のアンチテーゼとなるものであったかは分かりませんが、教典以外の虚構のチャンネルがこの男性を救い出したのです。


また、これと関連する話があります。これも村上春樹のエッセイで、なんの本かは忘れましたが…


オウム真理教のエリート信者たちに、小説を読むか、という質問を(確か村上春樹自身が)すると、彼らは決まって首を横に振ったそうです。
彼らにとっては、小説はフィクションの世界であり、そのフィクションに意味を見出しませんでした。



この二つの話から、


  • フィクションに救われた男性
  • 犯罪を犯したオウム信者はフィクションを軽視


という2つの対立構造が見えてくると思います。
小説は直接的、現実的に人を助けることはないかもしれませんが、そこには大切なものが眠っているのです。


created by Rinker
¥825 (2019/11/18 01:18:55時点 楽天市場調べ-詳細)

また、小説は、読み終わった後に不思議な感触を覚えることもあります。



「跳びなさい」と僕らは言う。そして読者を物語という現実外のシステムの中に取り込む。幻想を押し付ける。勃起させ、怯えさせ、涙を流させる。新しい森の中に追い込む。固い壁を抜けさせる。自然ではないことを自然だと思わせる。起こるはずのないことを起こったことであると信じさせる。

しかし物語が終わったとき、仮説は基本的にその役割を終える。カーテンが降り、明かりがつき、積み上げられた猫たちは目を覚まし、のびをし、夢を見ることをやめる。読者はその記憶を部分的にとどめるだけで、もとあった現実の中に戻っていく。場合によっては以前といくらか色合いを変えているかもしれないが、そこにあるのは見慣れた同じ現実である。

村上春樹 雑文集


「色合いを変えている」とありますが、この受け取り方は人それぞれです。


僕の場合は本当に「色合いを変えている」のですが…


小説を読み終わり、目を上げると、いつもの見ているものたちの色が濃く見えてくるのです。


科学的に説明すれば、おそらく目に入る光の量が、下を向いて小説を読んでいる時と読み終わって顔を上げた時に変化するからだと思いますが、それを感じた時に僕はその小説が自身に取り込まれたという風に認識しています。


少し脱線しましたが、こうして物語に触れていると、それがいつしか人を助けることになるかもしれません。


感受性・語彙力 etc.

もちろんそれ以外にもメリットはたくさんあります。


  • 語彙力が向上する
  • 共感力、感受性が育つ


などなど…これらに関しては他のサイトでもよく説明されているため、ここでは詳しい解説は省きます。


話していてたまに「この人小説読んだことがなさそうだな〜」っていう人に出会います。


ぶっちゃけ根拠はあまりないのですが、あまりにも断定的だったり攻撃的で物事を一つの側面からしか見えてない様子を見ると、そう思います。


後々さりげなく聞いてみると、やはり小説を読まないと答えます。そもそも小説読む人が減っているのもあると思いますが…


読んでからしか分からないこともあるかもしれませんが、小説を読んで得られる事は非常に多いです。


多くの人が小説を読まない今、小説を読むことによって見えてくる世界があるはずです。


オススメの小説

「小説を勧める」というのは非常に難しいです。小説の好き嫌いは主観で判断するのが普通だからです。


そのため、僕がお勧めする小説が皆さんの肌に合わないかもしれませんが、そこらへんはご了承ください。


(注)↓Kindle版と文庫版があります。ご注意ください。

山本周五郎 さぶ

created by Rinker
¥693 (2019/11/18 01:18:55時点 楽天市場調べ-詳細)

あらすじ

小雨が靄のようにけぶる夕方、両国橋をさぶが泣きながら渡っていた。その後を追い、いたわり慰める栄二。江戸下町の経師屋、芳古堂に住みこむ同い年の職人、男前で器用な栄二と愚鈍だが誠実なさぶの、辛さを噛みしめ、心を分ちあって生きる、純粋でひたむきな愛と行動。やがておとずれる無実の罪という試練に立ち向う中で生れた、ひと筋の真実と友情を通じて、青年の精神史を描く。

無実の罪が事の発端となり、栄二は石川島の「人足寄場」へ送られます。


「人足寄場」は老中・松平定信の時に設置された自立型厚生施設ですが、実態は強制収容所のようなところだったそうです。


軽度犯罪者・虞犯者に対して教育的・自立支援的なアプローチを取り入れた処遇を行った点が当時としては画期的だった。しかし、実態は現在でいう強制収容所に近く、後述のように問題が多々あった。

Wikipediaより


このような状況のもとで栄二は過酷な日々を過ごしていきます。


↓の記事で上手く説明されているので参考にしてみてください。



遠藤周作 彼の生きかた

created by Rinker
¥781 (2019/11/18 08:53:09時点 楽天市場調べ-詳細)

あらすじ

〈俺は人間の世界が嫌や。言葉も不自由やし……俺もお前たちの中に入りたいわ〉 ドモリで気が弱いために人とうまく接することができず、人間よりも動物を愛した福本一平は、野生の日本猿の調査に一身を捧げる決意をする。しかし、猿の餌づけに精魂をかたむける彼の前には、大資本が、無理解な人間たちが立ちふさがる。一人の弱い人間の純朴でひたむきな生きかたを描く感動の長編。


僕が勇気をもらった小説の一つです。
どもりで、性格も内気で、社会的には弱者な主人公の福本が、猿のために身を犠牲にします。


遠藤周作は1923年生まれで三島由紀夫などと近い世代ですが、非常に文章が読みやすいです。


僕が最初に読んだ遠藤周作の話は「沈黙」ですが、正直1923年生まれが書いた文章とは思えないほどスラスラ読めました。


小説を普段あまり読まない方でも読みやすいと思います。


もう少し詳しいあらすじは以下の記事に書かれています。参考にしてみてください。




まとめ

綿矢りさとか、貴志祐介、道尾秀介などの現代の有名作家を紹介しても良かったのですが、どうせなら普段あまりこういう場で紹介される事のない本を取り上げてみようと思い、上の2つを紹介しました。


小説は様々な可能性とメリットを含んでいるので、これを機に是非小説を読んでみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました