みなさんこんにちは、おととらべる(@soundraveller)です。
今回はProgressive House(EDM)のLead音のオススメのサンプルパックと音作りについてお話したいと思います。
Progressive Houseで使用される音のバリエーションは少なすぎもせず、多すぎもせず、非常にとっつきやすい分野だと思います。
今回の記事で想定しているProgressive Houseは以下のような曲です。
いわゆるEDMに分類されるProgressive Houseです。これらの曲の雰囲気を軸に考えていきます。
オススメのサンプルパック1選【Ultrasonic - The King】
>> The King
まずはパックの紹介です。ぶっちゃけこれ一つでProgressive HouseのDropを作る際に困ることはないでしょう(僕はUltrasonicのまわし者ではありません笑)。
僕はUltrasonicのパックをいくつか持っていますが、おそらくこれが一番サンプル数とプリセット数が多く、充実していると思います。

そもそもProgressive Houseでプリセット数が300って...意味分かりません笑
ちなみにこのパックは僕は持っていませんが、デモを聴いている限りでは、Progressive Houseをメインで作ろうとしている人にとっては57ユーロはそれほど高くはないかと思います。
そもそもProgressive House(EDM)は低額投資でハイクオリティな曲が作りやすい
Progressive HouseはFuture BassやChill系のジャンルとは異なり、使用される音の種類がある程度決まっています(特にDropのLead音)。そのため、一度良い音を見つけることが出来たら、それを長い間様々な曲に使用することが出来ます。
よって、音源にそれほどお金を掛けなくても満足のいく曲が作りやすいと思います。
Progressive HouseのLead音の作り方

今回はProgressive HouseのLead音の作り方の一例をご紹介しようと思います。
Progressive HouseのDropで使用されるLead音は、一つのプリセットで表現されていることはまずないです。
プリセットを一つしか使用しない場合、どうしても音が細くなってしまったり、逆に太めの音を選んだら広がりに欠けたりします。そのため、複数の音を重ねて一つのLead音を表現します。
音は2個か3個程度重ねると良いでしょう。重ねすぎはただただ音が汚くなるだけなので一般的には好ましくありません。
そして重ねる音は一つ一つ異なったテイストのものを選ぶと良いでしょう。
例えば、
- メインのLeadはクリアで芯があり、他の音に押し負けない
- Leadに広がりがありつつも、そこまで主張の強くない音
- 上の二つの間に入り、隙間を埋めるような音
の3つの音でLeadを構成する...といった考え方が出来ます。それでは解説していきたいと思います。
【はじめに】Nexus2はProgressive Houseの音作りに非常に役立つ
解説の前にNexusについてお話ししたいと思います。今やSpireやSerumの躍進をよそに、少し影の薄くなっているNexus2ですが、Progressive HouseやTrance系の音楽と非常に相性が良いです。
Nexus2を買った時点でついているLead音でも正直十分な場合もあるかもしれません。
現在はSylenth1やSpireを使ってLead音を作る人が増えた印象ですが、それでもまだまだ即戦力として使えると思います。
個人的にNexusが一番威力を発揮するのはLeadのメイン音がピアノ系の音の場合です。以下の曲を聴いてみましょう。
こういうTrance要素があるピアノ音がNexusにはたくさんあります。そしてこの音はSylenth1やSpireでは非常に作るのが難しいです(多分)。
Lead音のメインにピアノを使いたい場合はNexusの購入を検討してみると良いでしょう(少し高いです)。
>> Nexus2
使用する音源
それでは解説に戻ります。今回音作りの説明のために使用する音源は以下のものです。
この音は以下の記事で使用した音源です。よかったら訪れてみてください。
Leadのメインとなる音
まずは、
- メインのLeadはクリアで芯があり、他の音に押し負けない
この音について考えてみましょう。
芯がある音を選びました。これはW.A ProductionのMelodic DragonというMelodic Dubstep向けのパックにあるLead音を少しいじったものです(W.A Productionは少し前まではSpliceに音源が公開されていたのですが、今は無くなってしまいました)。
この音の作りについて少し解説します。

OSC A、OSC B共にBasic Shapesを用いています。Basic ShapesはSerumに初めから搭載されています(Analog -> Basic Shapes)。
左右で形が違いますが、これに関してはOSC A、BにあるWT POSを触って図形を変えているためです。
僕は元の設定のOSC BのOCTを+1から0に、FILTERをMG Low 12から18に変えました。これはミキシング時に高くてキーンと鳴る耳障りな音をEQで消しやすくするためです(しかし、消しきれませんでした)。

FXは非常に基本的です。これがLeadのメインの音となります。
Leadのメインの音でよく使われるもの
Progressive HouseのLead音は今回紹介したもの以外でも様々なものがあります。
先ほど紹介したピアノ系音源もそうですが、Vocal ChopsをProgressive HouseのLeadとして使用するのもオススメです。

さっきっからWildVibes推しすぎだろ俺...(ご了承ください)
広がりを持たせる音
次は広がりを持たせる音です。
でも改めて聴いてみると、正直「広がり!」って感じはないですね(語彙力)。
ただ、先ほどのメインのリードと周波数があまり被らないため、重ねて聴くと少しは広がった感じがするかもしれません。
この音はSerumのプリセットを使用しています(有料)。使用したプリセットは先ほど紹介したUltrasonicのFuture Bass Essentials vol 2にあったものです。


足りない要素を付け加えるLead
最後に、上の2つのLead音で少し物足りない部分(主観で良いです)を補う音を入れます。
最初の頭だけ音が大きくてそこから急速に小さくなっていく音です。これはSylenth1の音です。
この音に関しては画像は省略させていただきます(枚数が多くなるため)。
音の分類としてはSupersawに当たります。
Progressive Houseを作る際に参考にしたいYouTube動画
今回紹介したLead音は正直普通のProgressive Houseとは異なったテイストのものです。機会があればまたグレードアップさせた音源を用いて解説をしたいと思います。
最後に、僕がDTMを独学するにあたって参考にしたYouTube動画をいくつか紹介したいと思います。
Vories
一番お世話になりました。彼としては、まさか極東の雑魚ブロガー(突然の卑下)に自分の動画を紹介されるなんて思ってもみないでしょう。
この動画はチュートリアル動画ではないです。これは、上で僕が散々紹介したWildVibesとのコラボの様子を動画にしたものです。普段は以下のようなチュートリアル動画をメインに作っています。
FL STUDIO by Image-line software
FL StudioはDAWの名前で、Image-lineはFLを制作した会社です。無料で有益な動画がたくさんあります。説明的な部分が多いため、英語が出来ると良いでしょう。
尚、基本的にEDM制作に関しては英語が出来ないと他国のプロデューサーとかなり知識面で差がついてしまいます。というのも、日本語でのDTM(特にミキシングやマスタリング)の解説などは基本的にJ popやJ Rockを対象としているからです。
EDMとこれらのジャンルでは曲の作り方のプロセスやミックスやマスタリングが異なることがあるので注意しましょう。
話を戻すと、説明口調な分、分かると知識がどんどん増えていきます。僕が個人的に気に入っている動画は下のやつです。
まだいくつかオススメしたいものはありますが、これは別の記事で網羅的にまとめたいと思います。
様々な動画を見れば色々なことが学べます。英語が分からなくて画面を見るだけでも、人によってEQやコンプのかけ方が違かったり、使用しているプラグインが多種多様だったりします。
今回のLead音の解説はあくまで一例ですので、参考程度にとどめ、動画で色々吸収してみてください^^