みなさんこんにちは、おととらべる(@soundraveller)です。
今回は、DTMの耳コピ講座を行いたいと思います!耳コピといっても、音楽経験がない場合はとまず何から始めれば良いか分からない事が多いと思います。
今回は、音楽経験が無い人でも分かりやすいように、DTMの耳コピを実践形式(実際に曲を使って)でやってみたいと思います。

ちなみに音楽理論の知識がなくても問題ありません(実際僕も殆ど分かりません)。
耳コピする曲の決め方

まずは、僕なりの耳コピする曲の決め方をご紹介します。
僕が耳コピをする際に気をつけているポイントは、
- 曲のコード進行、Key、BPMが分かる
- 曲で使用されている音と類似の音を持っている(プリセットなど)、或いはある程度作れる。
- その曲のジャンルの作り方のチュートリアルがYouTubeなどにある。
の3つです(耳コピに慣れたら最後の条件は要らないです)。
まず、曲のコード進行、Key、BPMが分からないとほぼ詰みます。この3つがあやふやな状態だと耳コピは難しいです。これらの情報はGoogleで検索して出てこなかったら諦めた方が良いでしょう。
ただ、この3つの中でコード進行は少し優先度が下がる為、KeyとBPMが最低限分かればコード進行が最悪分からなくても耳コピ出来る事は多いです(詳細は後述)。
あとは音も重要です。コード進行やメロディー、曲の構成のみならず、音もれっきとした音楽の一要素です。ただ、音を完全に再現するのはジャンルによってはほぼ不可能である為、ある程度妥協する必要はあります。
目安として、メロディー(Lead)の音はある程度再現できると良いでしょう。
最後にチュートリアルですが、これは特に新しいジャンルの曲を作るときに非常に役立ちます。どのような音を使ってそのジャンルの曲が構成されているのかがよく分かります。
↓チュートリアル動画の例
しかし、これはなくても耳コピが出来なくなるわけでは無いので、あくまで補助的なツールとして捉えていただければ幸いです。
実際に耳コピしてみよう!
それでは、上で紹介した3つの要素を満たす曲を探していきましょう。
しかし、ここで終わってしまうのは勿体無いので、今回は実際に僕が1曲選んで耳コピしてみたいと思います。
僕が今回選んだ曲はこちらです。
全て耳コピしているとキリがないので、今回はDropの部分(0:50〜)のみコピーしてみたいと思います。
最終的には以下のようになります。
それでは解説していきたいと思います!
Key、BPM、コード進行
Googleで検索を掛けます。僕はいつも始めにKeyとBPMを調べます。Tunebatに両方の情報が載っていることが多いです。
Tunebatで調べたところ、KeyがDmaj、BPMが160であることが判明しました。

次にコード進行を調べます。僕はChordifyというサイトをよく使っています。Chordifyで調べたところ、コード進行が判明しました。

しかし、ここで注意が必要です。画像の緑色のOverviewの下に"G"と書いてあります。これ、Chordify側ではKeyをGmajとして認識していることになります。
しかし、先ほど調べた結果ではKeyはDmajなはずです。
こういう時はTunebatの方を優先的に考えると良いでしょう。 Chordifyは網羅性が高い分、精度がやや悪いのが欠点です。
僕はこういった場合、Dmajの曲のコード進行を拝借することにしています。Dmajの場合はよくIllenium,GryffinのFeel Goodのコード進行を用います。
コード進行は以下の通りです。

よって、今回はG -> D -> Bm -> Aのコード進行を用いることにします。
まとめると以下の様になります。
Key : Dmaj
BPM : 160
コード進行 : G -> D -> Bm -> A
コードとメロディー作成
続いて、コード進行とメロディーを作成します。この時はピアノなどの音を使って表現すると良いでしょう。
コードとメロディーをピアノで表現するとこの様になります。
ピアノロール上では下の様になっています。

コードの作り方
コード作りに悩んでいる方は多いかと思います。僕も最初は音楽理論が分からなかったが故にかなり苦労していました。そこで海外のYouTube動画を漁りに漁った結果、現在は以下の様に作ることが多いです。
- Step 1ルート音をつける
今回はG -> D -> Bm -> A の進行なので、これらのルート単音(G, D, B, A)を書く
- Step 2Keyの音とそこから5度上の音をつける
今回のKeyはDmajなので、Dと、その5度上のAを書く
- Step 3間に色々と音を入れる
3音だけだと味気ないので、間に音を入れていきましょう。
最初はG -> D -> Bm -> Aと言ってはいたものの、テキトーに作りすぎたのでもしかしたらコードの名前が変わってしまっているかもしれません笑 音楽難しいです...
メロディーの作り方
耳コピにおけるメロディーの作り方は難しくありません。例えば今回はKeyがDmajである為、Dmajスケールの音のみを用いることを考えます。
FL Studioの場合では、下の画像の白いところがDmajスケールの構成音である為、白いところのみを踏んでメロディーを作っていくことを考えます。そうするとメロディーを作るのはかなり速くなるはずです。

この白いところだけを踏む、というのは言い換えればそのScale(今回はDmaj)の音のみを使ってメロディーを作るということになります。例えば、Dmaj Scaleの構成音はD, E, F#, G, A, B, C#である為、これらの7音のみを使ってメロディーを作っていきます(絶対ではありませんが)。
参考 : スケール構成音早見表
ドラム作成
今回の曲の場合、ドラムの主な構成音はKickとSnareです。曲の耳コピする箇所をよく聴き、ドラムを作成しましょう。ここはそれほど難しくないと思います。
実際に僕が作成した結果、以下の様になりました(ピアノ+ドラム)。
みなさんはシンバルの音を聴き取ることが出来ましたでしょうか? 耳コピする際は、なるべく全ての音を聞き取るよう、練習すると良いでしょう。それが後々の楽曲制作に効いてくると思います。
メロディー(Lead)作成
メロディーは一番音にこだわりたいところです。とは言っても、最初から音作りをしていくのはかなりハードルが高いです。そこで、自分が今現在持っている音(プリセットなど)を参照して、それらの音が使えるような曲を耳コピの課題曲として設定するのが良いかと思います。
僕が今回、Kuur, Exede - Would Youを耳コピしようと思ったのは、この曲のDropにおけるLead音と類似の音を持っているからです。
その音は以下のプリセット、サンプル集に収録されていました。
Would Youと聴き比べてみましょう。

Lead音は結構似ているかと思います!
このように、自分の手持ちから耳コピする曲を探していくのは非常に重要です。とは言っても、まだDTM始めたての頃は手持ちの音が少ないかもしれません。それを解決する手段は主に以下の2つです。
- 音を買う(プリセット集など)
- 音の作り方を勉強する
前者の方が圧倒的にハードルが低いのでオススメしますが、音を買い集めるコレクターにならないように注意しましょう笑
前置きが長くなりましたが、僕が作成したLeadメロディーは以下のような感じです。メロディーラインは"コードとメロディー作成"のところで作ったメロディーをコピペしました。
Chords作成
ChordsはLeadに比べるとバリエーションが少ない為、コピーしやすいです。ポイントは、
- シンセ上だけで音選び、音作りを完結するのではなく、EQやコンプも使用する
- 実験を繰り返す
ことです。”音作り”と聞くとどうしてもシンセばかりに目が行きますが、EQやコンプなどで音色を調節できるという視点を持っておくと、音選び、音作りがグッと速くなります。これを踏まえて様々な音を作れるよう、実験を繰り返していくと、手持ちの音のバリエーションが一気に増えていきます。
僕が作ったChordsは以下の通りです。
今回の曲では、Chordsの音はそれほど目立たない為、EQで3,000Hzあたりを少し下げています。また、コンプでも少しHighを下げています。
↓参考動画 : この動画のEQ、コンプのかけ方を参考にしました(1:53〜)
今の所、Drums、Lead、Chordsで以下のようなサウンドです。
Bass作成
DTM初期にありがちなのが、サブベースしか使わないパターンですが、もしそうだとしたら、今日でそれは卒業しましょう。
個人的にベースを作るときは2〜4個の音を重ねます。周波数で分けましょう(Sub、LowMid、Mid、HighMidのように)。
僕が作成したベースは以下の通りです。
サブベースと、ウワモノのゴリゴリしたベースを重ね合わせました。音は、コード進行のルート音に沿っていけば基本Okです。
今までのDrums、Lead、Chords、Bassを合わせると以下のようになります。
Vocal Choir
ここで、改めてもう一度曲のDropを聴いてみましょう。
...なんか微かにVocalの音がしませんか?

本当に微かにですが...
周波数で言うと、Chordsのちょっと上かちょっと下か判断が迷うところですが、集中して聴いてみてください。
これは、役割で言うと、音の隙間を埋めている感じだと思います(予想)。よって、僕はこの曲に合うVocal Choirの音は持っていませんが、隙間を埋めるためにPadを用意しました。
この音で代用したいと思います。
Sidechain
EDM制作に限らず、あらゆる分野でサイドチェインは用います。サイドチェインは、以下のように音量を調節する操作のことを指します。

サイドチェイン用のプラグインもありますが、僕は面倒臭いので、最近はFL Studioに付属しているFruity Balanceでボリュームオートメーションを作って凌いでいます笑

これをLead、Chords、Bass、Padに適用させると、全体として以下のようになります。
ちなみにサイドチェインなしVer.は以下の通りです。
サイドチェインを掛けた方が、キレがあり、一気に原曲に近づいていることが分かります。元々は音圧の観点から導入されたサイドチェインですが、サウンドデザインでも非常に役立ちます。
仕上げ〜最終結果〜
最後に仕上げです。上のサイドチェイン有りVer.でも少し物足りない気がします。そこで、Whitenoiseなどの音を追加していって、音の隙間を埋めていきます。
そのほか、原曲に合わせて様々なサウンドデザインを施すと、最終的に以下のようになります。
途中かなり手抜きな部分もありますがご了承ください笑
ちなみに一番最初の部分の音はFL Studioにある"Gross Beat"を使用しました。Hip Hop系で死ぬほど使われています。
以下のようなオートメーションを書いて原曲の感じを再現しています。

青いところの、上が"1/4 Bt Gate"、下が"1/2 Bt Gate"というプリセットのオートメーションです。ローパス(ハイパス)フィルターと一緒に使うと良いでしょう。
まとめ〜一曲丸々コピーしてみよう!〜
今回は高々15秒程度の耳コピで終わりましたが、最初は一曲フルでコピーすることをお勧めします。
なぜかというと、フルでコピーすると、曲の展開が非常によく分かるようになるからです。
今回の記事を参考に、様々な曲をコピーして実力を伸ばしていきましょう!
あと最後に、最近ブログやっててやはりSNS(主にTwitter)での集客が僕はゴミほど弱いので(なんせフォロワー2桁前半)、気に入ってもらえたら是非拡散よろしくお願いします^^