皆さんこんにちは、おととらべる(Twitter : @soundraveller)です。先日、ブログ読者さんからオリジナル曲の感想を求められたので、それに対する僕の答えと補足をこの記事で公開していきたいと思います。
メールの内容は要約すると以下のような感じです。
初めまして、橋屋雀という名前で音楽活動をしています。
オリジナル曲の率直な感想をお聞きしたいです。
ポイント :
- ドロップのスネアの音が上手くハマらず、妥協してしまった。
- ミックス、アレンジについて意見を聞きたい。
- トランス系を取り入れた為、リバーブは深め。
- レーベルに送ったが好感触とはいかなかった。
これらのポイントを元に、曲を聴いて一緒に考えていきましょう^^
オリジナル曲
送られてきたオリジナル曲は以下の通りです。早速聴いていきましょう。
送られてきた参考音源(Reference Track) : Darren Porter - Inertia
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これに対する僕の返信内容+αを、段階ごとに述べていきたいと思います。
アレンジ
Drop前まで
非常に良いと思います。Introの入りも良く、エフェクトや音の扱いに非常に慣れている印象を受けました。
特に、0:24が僕は個人的に好きです。0:42のFillは好みにもよりますが、もう少し前に出しても良いかと思います。もちろんこのままでも大変良いです。
一つ付け加える事があるとするならば、メロディーを構成しているピアノの音量のオートメーションを作るとより良くなるかと思います。
Drop
Dropに関しても良く、こちらとしてはスネアの音は違和感なく聴こえます。
付け加えるとすれば、まず一つはDubstepでよく用いられるWobble Bassを要所要所に入れて上げるとさらにカッコ良くなるかと思います。
参考曲↓
さらに、所々ビートゲート(音が途切れるようなエフェクト)を用いていますが、今回のような曲であれば過剰と思えるほど強めにかけるとよりメリハリが出てくるかと思います。
参考曲↓
上の動画で、2:01〜のビートゲートと、2:09〜のそれとではエフェクトのかかり具合がかなり異なります。このように、同じエフェクトでもオートメーションを作成してメリハリを付けると更に面白い曲になると思います。
ミックス、マスタリング
こちらもdrop前までは非常によく、特に言うことはありません。
dropに関してですが、Lead音をもう少し前面に押し出し、Chodrsを少し奥に引っ込めると良いと思います。
前面に押し出したり奥に引っ込めるのは基本的にボリュームフェーダーをいじるだけで良いです。ボリュームオートメーションを使って場面場面に応じた適切な音量を探っていくと良いと思います。
加えて、この曲はDrop時のLUFS値が-5.5〜-6.0で少しマキシマイザーをかけ過ぎな印象があります。LUFSはTrance系なら少し高くなっても構わないかと思いますが、目安としては-10.0〜-6.5程度が良いでしょう。
参考 : Youlean Loudness Meter
LUFSの値を確認できる無料でも十分役にたつツールです!
また、この曲調であればdropで少し音が大きくなるとテンション上がると思います。その為、マスタートラックのボリュームフェーダーについてもオートメーションを作成して、dropのところで音を大きくするとさらに良くなると思います。
最後に、これは僕が直接確認できないので推測になりますが、もしReverbを掛けてからローカットをしていないのならば、することをお勧めします。
ReverbをInsertでもSend & Returnでもどちらでも良いと思いますが、どちらにせよローカットをする事が多いです。もししていないのであれば、Reverbの後ろにEQをインサートして100〜300Hz以下をカットしてみてください。
レーベルについて
この曲のクオリティーなら、恐らくTrance系のレーベルであればdropまでは聴いているかと思います。
ジャンルはMelodic DubstepとTranceの中間くらいだと思うので、双方のジャンルのレーベルをもう2つか3つほど調べて送ると良いと思います。
さらに、曲を作ってからレーベルを探すのも良いですが、「このレーベルから曲を出したい」と思えるようなレーベルを探し、そこの雰囲気に寄せた音源を作成する事を強く意識すると採用される確率がグッと上がると思います。
まとめ
以上の内容をまとめてみます。
- Dropで少し要素を足すしたりすると良いかも
- ボリュームフェーダーを駆使してバランスを整えると良いかも
- マキシマイズは程々に。LUFSは高過ぎても良くない
- Reverbの後ろにEQをインサートしてローをカットするとスッキリします
- 曲を出して欲しいレーベルをはじめに決めてからそこに合う雰囲気の曲を作ると良いかも
注意して欲しいのは、これらは全て僕からの「提案」であって、「正解」では全くありません。
もし「いや、自分はこう思う!」というのがあれば、是非コメント欄やお問い合わせから意見ください。内容によっては記事に反映させていきたいと思います。