この記事は、現在DTMをやっていて壁に当たっていると感じでいる人、あるいはこれからDTMを始める予定でDTMにはどんな難しいことがあるのか知りたい、という人向けに、DTMでぶち当たる可能性がある難しいポイントと、その解決策(あれば)を述べていきたいと思います。
【段階別】DTMでぶち当たる壁

PC・DAWが選べない
これはDTMを始める前のお話ですね。PCに関してはノートかデスクトップか迷ったり、スペックと予算のちょうど良いところを模索したり....
また、DAW(音楽制作ソフト)選びも種類が多くて戸惑うかもしれません。それぞれのメリット・デメリットをまだ買ってもいない段階から見極めるのはそう簡単ではありません。
ちなみにPC選びに失敗すると以下のようになります笑
解決策 : 参考記事あり
この「PC・DAW選びの壁」については僕が既に以下の記事で予算にあった選び方を解説しています。具体的なPC名を挙げたりしているので選びやすいかと思います。
お金がない
「お金がない」...これは初心者中上級者あまり関係なく、多くの人が抱える悩みです。
後ほどもう一度お金がないことについてお話しますが、今回の「お金がない」はそもそもPCやDAW、オーディオインターフェースなどの初期段階においてのものだとお考えください。
解決策 : どうしようもない
綺麗事抜きで言うと、DTMは才能もそうですが
- お金
- 時間
がある方が断然有利な状況です。特に「お金がなくて5万円のノートPCしか買えません」みたいな状況だと本格的なDTMは難しいかもしれません。
僕も高校生の頃はIOSのKORG GADGETを使っていたこともありますが、やはり限界があり、1ヶ月も続きませんでした。
その点、高校生や中学生でも家に一定以上のスペックのPCがあればあとはそれほどお金はかからない(と言っても10万円くらいは持っておいた方が良いかも)ので有利ですね。
時間がない
時間もお金と同じくらい重要です。「アルバイトをしながらバンドマン」みたいな描写ってよくありますが、アルバイトをしながらバンドをやるよりも「一日中音楽してる」みたいな人が有利であることには変わりありません(そう考えると[Alexandros]って確か会社員からプロになったからすごい...)
社会人と学生とかだったらおそらく学生の方が時間的には有利かなと思います。その代わり学生はお金がないので非常にバランスが悪いですが...笑
解決策 : 時間を作る
解決策と言いつつ全く解決策ではありませんが...でも実際、「時間がない」って言うのは言い訳にはならないです。
曲をレーベルとかに送る際に、

まだ作曲を始めて3ヶ月ですがこんな感じです!
とか、

1日1時間くらいしか時間が取れない状況ですが、これだけのものを作りました!
などの文言において、前半は意味がなく、成果物(出来上がった曲)のみが意味を持ちます。
DAWの操作が分からない。音が鳴らない
僕は幸いDAWなどの設定はスムーズに進みましたが、「音が出ない、鳴らない」、「DAWの操作が分からない」などは定番ですね。
解決策 : 調べる
大抵は調べれば解決します。日本語でダメな時は(あまりないと思いますが)英語で調べてみましょう。
最悪、調べても分からなかった場合はDAWにお問い合わせしてみましょう。僕はしたことはありませんが、多分返信はちゃんと返ってくるかと思います。
追加プラグインが上手く追加できない
これもどちらかというと「DAWの操作が分からない」部類に入るのですが、場合によってはプラグインを入れることそのものが少し面倒で分かりづらいこともあります。
原因も様々で、DAW操作よりも解決が難しい場合もあります。
解決策 : 調べる
これについては、DAWの時とは異なり、先手で行動した方が良いです。
有料プラグインなどを入れる際は
- fl studio(DAWの名前) serum(プラグイン名) 入れ方
などであらかじめ手順を把握しておくとスムーズに進みやすいです(以下のような記事)。
コード・メロディー・コード進行が作れない
今までは曲を作る前段階の話でしたが、作曲を始めて一番最初につまづくのがこの
- コード
- コード進行
- メロディー
の3つです。
解決策 : コード・コード進行→参考記事あり
コードとコード進行の作成については僕が前に記事を作ったので参考になるかと思います。
上の記事ではkawaii Future Bassという特殊なジャンルのコードとコード進行の作り方について解説していますが、そこで述べていることは他のジャンルにも当てはまることなので、是非参考にしてみてください。
解決策 : メロディー →音楽をたくさん聴く+スケール上をなぞる
メロディーに関しては
- スケール上をなぞる
- 音楽をたくさん聴く
の2つがポイントです。
スケール上をなぞる
これに関しては一瞬で理解して実行することが出来ると思います。
各曲にはスケールが決まっています。例えばCmajの曲だったら白い鍵盤のところだけを使ってメロディーを書いてみてください。違和感はかなり軽減されると思います。
各スケールの構成音は決まっています。以下の記事を読めばスケールのイメージがしやすいと思います。
音楽をたくさん聴く
例えば、メジャーなJ-POPの曲しか聴いてこなかったような人が作るメロディーならびに音楽って、聴いてて意外と分かったりします(多分)。
聴く曲の数やジャンルが少ないのは自ずと作る曲に現れてくると思います。そのため、いろんなジャンルの曲を作って、曲やメロディーのレパートリーを増やすと良いでしょう。
YouTubeで聴くのも良いですが、いつでも聴けるように一つくらいはサブスクに入ることをお勧めします。
そういうサービスに入っていないのであれば、取り敢えずAmazon Musicが一番収録曲数が多いと思うので登録してみるのをお勧めします(実はAmaozn MusicはApple MusicやSpotifyより収録曲数が多い)
欲しい音がない
これはジャンルによります。例えば、J-Rockとかはどんな音が使われているかは大体決まっているので、何の楽器が足りないかが分かりやすいです。
ただし、ジャンルによっては「この曲のような音が作りたいけどどうすれば良いか分からない」ということがあります。
解決策 : お金をかける or 時間をかける
解決策は主に
- お金をかける
- 時間をかける
の2つです。
「お金をかける」には主に以下の3パターンが考えられます。
- プラグインを買う
- 楽器を買う
- プリセットを買う
プラグインには様々なものがあります。ソフトシンセが有名ですが、ギターやピアノでもプラグインはかなり充実しています。
EDM系の音楽を作っている人はプリセットの購入を考えてみても良いかと思います。
例えば、僕は上の動画のプリセット集を使って下の音源を作成したりしました。
このような感じで、プリセットを使って解決するというのが一つの方法としてあります。
「時間をかける」とは主に「自分で音作りの勉強をする」ということです。音作りに関してはプラグインの簡単ではない操作を覚えたりする必要があるので少し大変ですが、音作りが身についたらより多くの音を表現できるようになります。

おすすめとしては、プリセットを買うのと音作りを並行するのが良いと思います。ただ、音作りが苦手だと感じたらしばらくはプリセットに頼って全然大丈夫です。
...何をしたら良いか分からない
まっさらなDAWを目の前に、何をするべきか分からず右往左往してしまうのはしょうがないです。
僕もそうでしたし、むしろ音楽を作り始めてすぐに色々できる人なんてそうそういないと思います。
ただ、これに関しては以下の明確な解決策があります。
解決策 : 型を最初に学ぶ
「型」は、自分が作りたいと考えているジャンルの音楽で用いられる構成音などです。
上のようなチュートリアル動画を見れば、Future Bassという音楽ジャンルを作るときに
- どんな音を使うのか
- その音をどういう風に配置するのか
が分かります。これがいわゆる「型」です。作りたい音楽ジャンルを決めるのはそれほど難しくないと思うので、ジャンル決めのあとは型を勉強しましょう。
曲の展開が上手く作れない
「イントロは作れたけど、これからどうやってAメロに繋げれば良いの?」といったように、曲の展開につまづいてしまうのはよくあることです。
これに関してはおそらくプロの方でもある程度起こりうることかもしれませんね...
解決策 : 参考記事あり
曲の展開に関する記事は僕の方で既に書いたので紹介します。
少し長めですが、最後の方を読めば大丈夫です。
【再掲】お金がない
一番最初の方に出てきた「お金がない」はどちらかというとPCやDAWといった必要最低限の設備を整うのに必要なお金がないというニュアンスでした。
ただ、DTMではPCとDAW以外でお金をかける時がほぼ確実に来ると思います。
そのときになんでも買ってしまうとあっという間にお金がなくなってしまいます。
解決策 : お金をかける優先順位を意識する
僕個人としては、PCとDAW以外でお金をかける時の優先順位を以下のように設定しています(上に行くほど優先度が高い)。
- 楽器系のプラグイン
- マスタリングで使うプラグイン(1〜3つ程度)
- プリセット
- サンプル
- ミキシングで使うプラグイン
作る音楽ジャンルによっても違ってくるので参考程度に留めておいてください。
ミキシングで使うプラグインは、例えばEQやコンプ、リバーブなどがありますが、これらに関してはDAWに付属しているものでも十分戦力になるので優先順位は一番低いです。
逆に、DAWに付属している楽器系プラグインは少し質が劣ったり、操作性がイマイチだったり、情報量が少なかったりするので最優先で揃えました。
こんな感じで買うものの優先順位をつけておけば、お金の無駄遣いは減ると思います。
ミキシングの壁
ある程度曲作りが進んでいくとおそらくミキシングの壁にぶつかります。
各パートの音量や周波数を最適に調整するのは結構難しいですし、耳が肥えてくるとプロの曲でもミキシングが全く異なることに気付くため、どういう方向性で行けば良いかも分かりづらいです。
「ミキシングとはなんぞや?」という方は下の動画の最初だけでも少しはイメージできるかと思います。
解決策 : 参考記事あり
ミキシングについては以下の記事が参考になるかと思います。
ミックスの細かいところまではあまり踏み込んでいませんが、手順だけでも参考になるかと思います。
マスタリングの壁
ミキシングとほぼ同時にマスタリングも悩み始めると思います。
逆に、ここまで来たら一通り作曲に関する壁は経験できたのかなという感じです。
「マスタリングとはなんぞや?」という(ry
解決策 : 参考記事あり
ミキシングの時と同様、マスタリングについても記事を書いたので、是非ご覧ください。
作った曲をどうすれば良いか分からない
僕は最初自分の作った曲をTwitterとかで呟いたりしていましたが、反応は殆どありませんでした。Soundcloudも殆ど聴いてくれません。
中にはSNSの運用だけで芽が出る人もいますが、そうでない場合が殆どです。
解決策 : プロモーションをしてもらう/権威性の利用
そうなると解決策としては「他の人の手を借りる」ということになります。
一番手っ取り早いのはレーベルとかに曲を送る方法ですが、これはジャンルによって難易度の差がかなり出てしまいます。
EDMだったらそれほど難しくないですが、日本のレーベルとかだと曲ではなくアーティスト単位での契約になることが多いんですかね...難しい印象があります。
EDM系とかだったらそのままレーベル採用を目指すので問題ないですが、そうでなければ権威性を利用するのが良いかと思います。
↑Justin Bieberのカバー(リメイク)です。再生回数はこの記事の執筆時点で1.7億回です。
自分のブランドがまだ確立されていないことが殆どだと思うので、積極的に権威性を活用していきましょう!
【DTM。辛い】壁は越えれば壁でなくなる。多分

一度超えた壁は後から振り返るとなんてことないと感じる
別にDTMだけの話ではないですが...一度超えた壁って後々振り返ってみると遠回りしたように感じたり、大したことが無かったように思えることが多いです。
僕も音楽を始めた時はコードやコード進行の作り方が分からず1〜2ヶ月ほどは殆ど曲が作れませんでした。
その時の心情としては「コードとか進行とか無理ゲー」だと思っていましたが今はそれほど苦労しません。
壁に当たったら「多分1ヶ月後くらいにはなんてことないと思えている」くらいのテンションで考えると良いかもしれませんね!
その代わり新しい壁が出てくる
通過した壁はなんてことないと思えますが、その代わりに新しい壁が登場します笑
この記事で取り上げた内容は全て僕が実際に体験した壁です。今も壁はありますが、まだ解決できていないのでこの記事には載せていません。
おそらく、壁がなくなることはないと思います。