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ボーカルチョップの作り方のコツーどうすればカッコ良くなるかー

ボーカルチョップ(Vocal Chops)を作る「だけ」ならそれほど難しくはありません。ボーカルサンプルを用意し、それを切り刻めばボーカルチョップはできます。

ただ、かっこいいボーカルチョップを作るのはそう簡単なことではありません。ただ切ってテキトーに貼り付けるだけでは、

  • 自分の思い描いている感じにならない
  • 音がすぐに外れる
  • 音が不自然に途切れ途切れになる。上手く繋がらない

といった問題が発生し、なかなか上手くいきません。ボーカルチョップの作成自体は簡単ですが、それはクオリティーを求めなければの話です。

今回の記事ではボーカルチョップの作り方から一歩踏み込んで、よりカッコいいボーカルチョップを作るコツも合わせて解説していきたいと思います^^

ボーカルチョップの作り方 : はじめに

まずはじめに、今回の記事で参考にする音源を作ったので聴いてみてください。作り途中の楽曲の一部分を切り取ったもので、ミックスやマスタリングが不十分な点はご了承ください。


この音源を元に解説を進めていきます。

ボーカルチョップの作り方 + どうすればカッコ良くなるか

STEP1 : ボーカルサンプルの選び方 + 初期操作(BPM、キー合わせ)

ボーカルサンプルの選び方としては、

  • 初めから加工されたボーカルチョップのサンプル
  • 普通のボーカルサンプル(歌詞あり。10秒〜1分以上)


の2つが主だと思いますが、前者に関してはすでにボーカルチョップが完成されているので、今回の記事では後者を使用することを前提に考えていきます。

把握しておくべき必須の情報

ボーカルサンプルはテキトーに取ってくるべきではありません。少なくとも、絶対音感や圧倒的リズム感がない場合は

  • BPM
  • キー


の二つの情報が分かるものを使用しましょう。これらの情報が分からないと後々音が外れたりリズム感がグチャグチャになったりと面倒な問題に対処する必要が出てきてしまいます。

どんなBPMやキーのサンプルを選ぶべきか

BPMに関しては自分が作ろうとしている曲のBPMとの差が+-30くらいまでが許容範囲だと思います。また、どちらかというと上に合わせる方が良いです。

例えば、楽曲のBPMが150でボーカルサンプルのBPMが130の場合はサンプルのBPMを150に合わせても全く問題ないですが、楽曲のBPMが100でボーカルサンプルのBPMが120の場合はサンプルのBPMを100に合わせると間延びした感じになって扱いにくいことがあるので注意した方が良いでしょう。

修正方向としては、サンプルのBPMを上げた方が後々処理がしやすいことが多いです。

キーも同じく上に合わせる方が良いでしょう。例えば、Cmajの女性ボーカルをAmajに下げるより、D#majに上げた方が上手くいく場合が多いです。

実際にやってみれば分かりますが、キーを一定以上下げると、男声女声関係なく、あくびのような音声になってしまい、使いづらいです。

そのため、キーもBPMも上方向に修正するようにサンプルを選ぶのが良いでしょう!

先ほど聴いてもらったボーカルはSpliceのVocalcium by MYLKにある"MYLK_vocal_hook_miss_you_chorus_140_Gm.wav"を使用しています。しっかりサンプル名にBPM(140)とキー(Gm)が記載されていますね^^ 聴いてみましょう。


先ほど聴いた音源は、キーがC#maj、BPMが170なので、それに合わせると以下のようになります。


そして、これが最終的に次のような感じになります。


それでは、早速サンプルを切っていきましょう!

STEP1まとめ

  • BPMとキーが記載されているサンプルを選ぶ
  • サンプルは、作っている曲のBPMより遅く(or同じ)、キーは同じor低いものを選ぶとやりやすい
  • (追記)慣れないうちは女性ボーカルを用いた方がやりやすい可能性が高い


STEP2 : ボーカルサンプルを切る〜どこをどう切るべきか〜

サンプルのどこをどう切るか

サンプルを切る主な場所は

  • 音程が変化しない場所
    • 緩急あり
    • 緩急なし
  • 音程が変化する場所

の2箇所です。

「そんな事言ったらどこでも良いじゃないか!」となると思うので、実際に僕が切ったところを聴いてみましょう。

カットA
カットB
カットC


カットBでは音程が変化せず、A、Cに関しては音程が変化しているのが分かるかと思います。この3つのカットだけを使って先ほどのボーカルチョップは表現されています。そして、一般的にボーカルチョップのクオリティーを上げるのはAとCのような音程が変化するチョップです(例外はあります)。

実際にどこを切っても良いのですが、少しコツがあります。

コツ1 : 子音を切り落とす

ボーカルチョップって、基本的になんて言っているか分からないですよね。あれは子音を切って母音だけで構成されているためです。

子音を切らない場合もありますが、切る方がオーソドックスです。

例えば、"Demo"という単語があった時、最初の"De”については"D"の発音を取り除いて"イ"の発音だけが残るようにしてあげます。"mo"に関しては"m"を取り除いて"o"の発音だけが残るようにしてあげます。

例を見ていきましょう。"Go"という単語を切ります。まずは全体で聴いてみると以下のような感じです。

"Go"


"G"の部分を切り落としてみると次のようになります。

"O"


ここで、"G"を100%完全に切り落とそうとせず、ギリギリ"G"が聞こえないかな〜くらいのところで切るのがおすすめです。

コツ2: 長めな音と短めな音両方を用意する

「長め」の音は以下のような音です。

長め


一方、次は短めの音です。

短め


このように、短めの音と長めの音を両方用意することで緩急を作り出せます。特に長めの音を用意しておくとボーカルチョップの作成がグッと楽になります。

(長めの音と短めの音を使っている例↓)


※ オートスライスをそのまま使うはおすすめしない

FL StudioだとSlicexというオートスライスの機能がついたプラグインがありますが、このようなプラグインでスライスされたものをそのまま使うのはおすすめしません。

理由としては以下の2つが主に挙げられます。

  • スライスが中途半端
  • スライスされた結果をいちいち確認する作業が面倒


スライスが中途半端

例えば、英語では"a"を"エイ"みたいな感じで発音することがよくありますが、オートスライスすると、"エ"と"イ"で分かれてしまうことがあります。

また、"missing"みたいな単語で"miss"のように、後ろに煩わしい子音Sがくっついてスライスされる場合があります。

このような感じで、オートスライスの技術はまだまだ改善の余地があります。

スライスされた結果をいちいち確認する作業が面倒

こんな感じでスライスされるので、スライスされたうちの7〜9割以上は使い物になりません。

そこで残りの使える部分を探すのですが、これがめちゃくちゃだるいです。

そんなことをするくらいなら、最初からFL StudioのEdisonのように、細かい作業がしやすいプラグインを用いた方が楽です。

サンプルの切り方まとめ

  • 子音を切り落とす
  • 音程が変化するところとしないところ両方用意する
  • 長めな音と短めの音を両方用意する

STEP3 : ボーカルチョップにエフェクトをかける

ボーカルチョップは、サンプルを切って貼り付けただけでは使い物にならないことが殆どです。

切った直後の状態はこんな感じです。

途中のノイズは気にしないでください


これだとチープな感じがするので味付けをしていきます。

コツ1 : センド&リターンでリバーブをかける(場合によってはディレイも)

まずは空間系のエフェクトをかけます。用意したボーカルサンプルがDryかWetでも変わってきますが、Dryの場合はリバーブはほぼ必須です。

そしてこの場合、リバーブはインサートではなく、センド&リターンでかけるのがおすすめです。

インサートとセンド&リターンの違い

簡単に言えば、

ポイント

  • インサート : 音に直接エフェクトをかける。EDMなどではリバーブをインサートでかけることも多いが、掛けすぎると音の芯が失われてしまう。
  • センド&リターン : 元の音 + エフェクトを掛けた音の両方を流す。元の音も流れるため、芯が失われるのを防げる。


のような感じです。

センド&リターンの掛け方

まずはセンドリターンをするトラックを選び、その音を別の空白のトラックにそのまま流します。

下の画像では、42のLow VOXの音をそのまま45番のLow Vox Send & Returnsに流しています。

ここまでの状況をまとめると、42番のトラック(Low VOX)はマスタートラックと45番のトラックに接続されています。そして45番のトラックはマスタートラックのみに接続されています。

次に45番のトラックにだけリバーブをかけます。センド&リターンでは、リバーブを

  • Dry : 0%
  • Wet : 100%


で掛けることが多いです。

右側をみれば分かりますが、Dryのところが下に完全に下がり切っており、WETは逆にマックス値まで上げています


リバーブの下にはEQをインサートして、以下のように低い周波数をバッサリ切ってあげましょう。


ここまでで、45番だけの音を聴いてみましょう。


合わせると以下のような感じになります。


これでだいぶ形になってきましたね!Before Afterで比較してみましょう。


Before
After

コツ2 : ディストーションをかける(任意)

これは好みにもよりますが、ディストーションを掛けてあげるのもおすすめです。

僕は今回WavesのOne Knob Driverを使って簡易的に掛けてみました。

これで、一番最初に聴いてもらったボーカルチョップの完成です。


ただ、これは好みにもよるので、掛けるか否かはその都度変わってくると思います。


ボーカルチョップの作り方 : まとめ

まとめ

  • サンプル選び : BPMとキーが分かるやつを選ぶ。BPMやキーをあまり下げずに済むものがベター
  • サンプルの切り方 : 音程が変化する部分は欲しい。長い音と短い音の両方を用意するとやりやすい
  • エフェクト : リバーブ、ディストーションなど。あとは場合に応じて適宜エフェクトを掛ける


以上です。是非参考にしてみてください!


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おととらべる

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現役理系大学生。 Programming : Java, Python 音楽活動名義はRoot Introvertです。 音楽制作でのリリース、プロモーション ByeByeCopyright -> Root Introvert - Between Our Hearts (2019年3月) AirwaveDubstepTV -> SHADOWKEY - Kiss Me(feat. Jellow) (Root Introvert Remix) (2019年10月) NoCopyrightNation(NCN) -> Root Introvert - You Don't Wanna Be Lonely(2020年2月) 7even EDM -> Root Introvert - You Don't Wanna Be Lonely(Promotion) (2020年3月、4月) InspiredByInspired -> Root Introvert - You (2020年2月) AshesToFlame Records -> Root Introvert & Isura - Reminiscent (2020年4月) 一人旅 : タイ、ラオス、ベトナム、マレーシア

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